「ダナーライトが欲しいけど、種類がいろいろあって違いがよく分からない……」
そんな人も多いのではないでしょうか。
ダナーを代表する定番ブーツといえば、1979年に誕生した「ダナーライト」です。GORE-TEXを採用した防水性や、ダナー式ステッチダウン製法、Vibramクレッターリフトなど、現在まで続くダナーの象徴的な特徴を持っています。
ただ、ダナーライトには通常モデルだけでなく、「ダナーライト II」や「ダナーライト Stack」といった派生モデルもあります。
さらに、ダナーライトのデザインや機能性を受け継いだ「ダナーフィールド」シリーズも登場しており、現在購入できるモデルだけでも選択肢はかなり豊富です。
では、それぞれ何が違うのでしょうか?
この記事では、ダナーライトを起点に、ダナーライト II・III・Stack、ダナーフィールド、フィールド LOW、フィールド R、フィールド LOW Rまで、8モデルをまとめて整理します。
価格や生産国、素材、ソール、デザインなどの違いを比較しながら、「自分ならどのモデルを選べばいいのか」まで分かるように解説していきます。
ダナーライト系のモデル選びで迷っている人は、まずこの記事で全体像をつかんでみてください。
ダナーライトとは?ダナーを代表する定番ブーツ
ダナーのブーツといえば、まず思い浮かぶのが「ダナーライト」ではないでしょうか。
1979年に登場して以来、長く支持されているダナーを代表する定番モデルです。
防水性を高めるGORE-TEXに、コーデュラナイロンとレザーを組み合わせたアッパー。さらに、グリップ力に優れたVibramソールも採用しています。
「かなり本格的なアウトドアブーツなんじゃない?」
そう思うかもしれません。
もちろんアウトドアで使えるだけの機能性を持っていますが、ダナーライトの面白いところは、街で履いても違和感がないことです。
ジーンズに合わせれば王道のアメカジスタイルになりますし、カーゴパンツや細身のパンツに合わせても合わせやすい。
誕生以来、ほとんどデザインが変わることなく今も支持されるダナーを象徴するモデルです。
ダナーライトの基本構造と特徴
ダナーライトの特徴を理解するなら、まず「アッパー」「防水構造」「ソール」の3つを見ると分かりやすいです。
アッパーには、フルグレインの防水レザーと1000デニールのコーデュラナイロンを使用しています。
レザーとナイロンを組み合わせた独特のデザインは、ダナーライトを象徴する部分です。
そして、防水性を担っているのがGORE-TEX。
ダナーライトではGORE-TEXのブーティーを使った構造を採用しています。
「見た目は昔ながらのアウトドアブーツなのに、中身はかなり現代的」
というのが、ダナーライトの面白いところです。
アウトソールはVibramのクレッターリフト。
しっかりとした凹凸のあるソールで、ダナーライトらしい無骨な雰囲気を作っています。
さらに、製法にはダナー独自のステッチダウン製法を採用。
アッパーとソールを縫い合わせることで、ダナーらしい耐久性のあるブーツに仕上げています。
そして、ダナーのブーツは長く使うことも考えられています。
ソールがすり減った場合には、ソール交換によって履き続けることができます。
ここも、スニーカーとは大きく違うところです。
もちろん、ダナーライトは「軽くてラクな靴」というタイプではありません。
しっかりした作りのブーツなので、スニーカーと比べれば重量感があります。
それでも長く支持されているのは、こうした機能性だけが理由ではありません。
レザーとコーデュラナイロンの組み合わせ、ゴツめのVibramソール、そしてダナーらしいブーツのシルエット。
この組み合わせが、アウトドアブーツとしての機能性とファッション性の両方につながっています。
ただ、ここで覚えておきたいのは、ダナーライトの特徴がそのまま他のモデルにも当てはまるわけではないということです。
たとえばダナーライト IIではアッパーの素材やパターンが変わりますし、ダナーライト Stackではヒール部分に大きな特徴があります。
ダナーフィールドまで広げると、生産国や価格帯も大きく変わります。
つまり、「ダナーライトがベースとなるモデル」であっても、実際にはそれぞれ違った方向に進化しているわけです。
ダナーライトの系譜・系統を整理するとこうなる
ダナーライトには、長い歴史のなかでいくつもの派生モデルが登場しています。
ただ、モデル名だけを並べて見ていると、「結局、どこからどこへ展開したの?」と少し分かりにくいですよね。
まずはダナーライト系のモデルを大きな流れで整理してみましょう。
ダナーライトを起点に見ると、派生モデルは大きく4方向に展開しています。
「ダナーライト II」「ダナーライト III」「ダナーライト Stack」は、ダナーライトの基本的なスタイルをベースに、それぞれ異なるアプローチで発展したモデルです。
一方、「ダナーフィールド」はダナーライトのデザインや機能性を受け継ぐ別ラインとして展開。その後、ローカットの「ダナーフィールド LOW」や、現代的な仕様を取り入れた「ダナーフィールド R」、さらに「ダナーフィールド LOW R」へと広がっています。
限定モデルやマイナーチェンジしたモデルなどは他にもいくつかありますが、大まかな流れはこんなところです。
※こちらの図解は、公式情報の製品コンセプトやスペックなどをもとに、筆者が考えるモデルの系統を独自に整理したものです。
ダナーライト系8モデルを一覧で比較
ここまでで、ダナーライトを起点にいくつかのモデルが展開されていることが分かりました。
では、実際にどんな違いがあるのでしょうか。
まずは8モデルを一覧で比べてみましょう。
細かな違いはこのあと一つずつ紹介しますが、最初に全体を見ておくと、それぞれの立ち位置がかなり分かりやすくなります。
8モデルの価格・生産国・特徴を比較
今回取り上げるのは、ダナーライト、ダナーライト II、ダナーライト III、ダナーライト Stack、ダナーフィールド、ダナーフィールド LOW、ダナーフィールド R、ダナーフィールド LOW Rの8モデルです。
| モデル名 | 最新税込価格 | ステータス | 生産国 | アウトソール | アッパー主要素材 | 構造的特徴・付属要素 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ダナーライト | ¥104,500 | 現行モデル | 米国(ポートランド) | Vibram クレッターリフト | フルグレイン防水レザー / 1000D コーデュラナイロン | ダナー式ステッチダウン製法、GORE-TEXブーティー、ソール交換可能 |
| ダナーライト2 | ¥104,500 | 現行モデル | 米国(ポートランド) | Vibram クレッターリフト | 防水ヌバックレザー / 1000D コーデュラナイロン | レザー面積を拡張した曲線デザイン、GORE-TEX搭載、ソール交換可能 |
| ダナーライト3 | ー | 廃盤(~2018年頃生産終了) | 米国(ポートランド) | Vibram クレッターリフト | フルグレイン防水レザー / 1000D コーデュラナイロン | ヴァンプサイドを3分割した裁断パターン、GORE-TEX搭載 |
| ダナーライトスタック | ¥115,500 | 現行モデル(プレミアムライン) | 米国(ポートランド) | Vibram クレッターリフト / スタックヒール | フルグレイン防水レザー / 1000D コーデュラナイロン | レザー層を積み重ねた重厚なスタックヒール構造を採用 |
| ダナーフィールド | ¥31,900 | 現行モデル | ベトナム | Vibram クレッターリフト | フルグレイン防水レザー / ナイロン | GORE-TEX搭載、Ortholiteインソール標準装備、ソール交換可能 |
| ダナーフィールド LOW | ¥30,800 | 現行モデル | ベトナム | Vibram クレッターリフト | フルグレイン防水レザー / ナイロン | ローカット仕様、GORE-TEX搭載、Ortholiteインソール標準装備 |
| ダナーフィールドR | ¥35,200 | 現行モデル | ベトナム | VIBRAM®オリジナルソール | フルグレイン防水レザー / ナイロン | ダナーライトのパターンを踏襲、ジッパーユニット標準付属 |
| ダナーフィールド LOW R | ¥34,100 | 現行モデル | ベトナム | VIBRAM®オリジナルソール | フルグレイン防水レザー / ナイロン | ローカット仕様、GORE-TEX搭載、ジッパーユニット標準付属 |
こうして並べると、まず目に入るのが価格差です。
ダナーライト、ダナーライト II、ダナーライト Stackは10万円を超える一方、ダナーフィールド系は3万円台。
同じ「ダナーライト系」として見ても、価格帯はかなり違います。
生産国だけでなく、素材やアッパーの構造、ソールなども違います。
たとえばダナーライトは、レザーと1000Dコーデュラを組み合わせたクラシックなスタイルが特徴です。
一方のダナーフィールドは、ダナーライトらしい雰囲気を残しながら、より購入しやすい価格帯で展開されています。
さらにフィールドにはLOWとRがあり、ローカットにするのか、ジッパーユニットを備えたRを選ぶのかでも使い勝手が変わります。
「見た目が似ているから、どれを選んでも同じ」というわけではありません。
むしろ、価格だけでなく、
クラシックなダナーらしさを重視するのか。
価格を抑えたいのか。
ローカットがいいのか。
このあたりを見ると、自分に合うモデルがかなり絞りやすくなります。
なお、ダナーライト IIIは現在販売されていない廃盤モデルです。
そのため、現行モデルだけを探している場合は候補から外れますが、中古市場などで見つけた場合には「昔のダナーライトの派生モデル」として知っておくとよいでしょう。
また、今回の8モデルは「ダナーライト系として整理しやすい代表的なモデル」を取り上げたものです。
ダナーには、このほかにも限定モデルやコラボレーションモデルなどがあります。
つまり、「ダナーライト系=この8モデルだけ」ではありません。
ただ、まずこの8モデルを押さえておけば、ダナーライトを中心としたモデル展開はかなり理解しやすくなります。
ここからは同じダナーライト系でも、何が違って、どんな人に向いているのかをモデルごとに整理します。
ダナーライト系8モデルをそれぞれ紹介
ここまで8モデルを一覧で比較しましたが、表だけでは分かりにくい部分もあります。
そこで、ここからは8モデルをひとつずつ見ていきます。
ダナーライト|ダナーライト系の原点となるモデル
まず押さえておきたいのが、ダナーライトです。
1979年に登場した、ダナーを代表する定番モデルです。
アッパーにはフルグレインの防水レザーと1000デニールのコーデュラナイロンを使用し、GORE-TEXのブーティーを組み合わせています。
アウトソールはVibramのクレッターリフト。
製法はもちろんダナーステッチダウン製法を採用しています。
現在はアメリカ・ポートランドで生産されるモデルとして展開され、発売以来ロングセラーとしてダナーの顔と言えるモデルです。
後にここからダナーライト IIやダナーライト Stackなどが登場しており、ダナーライトを置いてダナーの歴史は語れない重要なモデルです。
「ダナーライト系って結局何?」と迷ったら、まずこのモデルを基準に考えると分かりやすくなります。
私自身、2015年ごろに購入して10年以上履いてきましたが、重さや足入れのしにくさなど、長く履いたからこそ分かったこともあります。
実際に10年以上履いて感じたことについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

ダナーライト II|レザーの面積を増やした派生モデル
ダナーライト IIは、名前の通りダナーライトをベースにした派生モデルです。
基本的な雰囲気はダナーライトにかなり近いものの、アッパーの作りに違いがあります。
大きなポイントは、サイドパネルのデザインが変わっていることです。
ダナーライトではレザーとコーデュラナイロンの組み合わせが特徴ですが、ダナーライト IIではレザーの存在感がより強くなっています。
素材には防水ヌバックとコーデュラナイロンを使用。
GORE-TEXやVibramのクレッターリフトなど、ダナーライトらしい基本的な機能は受け継いでいます。
価格はダナーライトと同じ税込104,500円。
そのため、「ダナーライトより安いモデル」という位置付けではありません。
むしろ、
「ダナーライトの雰囲気は好きだけど、もう少しレザーの存在感が欲しい」
「王道もいいけど、デザインはこっちが好み」
という人が注目したいモデルです。
デザイン、機能的にもよく似ていることからもダナーライトからの正統の後継モデルというと言えるのではないでしょうか。
ダナーライト III|独自のアッパーパターンを採用した廃盤モデル
ダナーライト IIIは、現在は販売されていない廃盤モデルです。
そのため、これから新品でダナーライトを購入する人にとっては、直接的な購入候補にはなりません。
ただし、ダナーライトの歴史を知るうえでは面白いモデルです。
特徴は、アッパーのパターン。
ダナーライト IIIでは、ヴァンプからサイドにかけてのレザーの切り替えが特徴的になっています。
ダナーライトやダナーライト IIとは、見た目の印象も少し違います。
一方で、GORE-TEXやコーデュラナイロン、Vibramのクレッターリフトといった、ダナーライトらしい基本的な考え方は受け継いでいます。
現在は廃盤なので、もし中古市場などで見かけたときに「ダナーライト IIIってこんなモデルだったんだ」と分かる程度に覚えておけば十分です。
現行モデルだけを探しているなら、ここで無理に候補に入れる必要はありません。
ダナーライト Stack|スタックヒールを採用したハイエンドモデル
ダナーライト Stackは、ダナーライトの中でも少し特殊な立ち位置のモデルです。
名前にも入っている「Stack」がポイント。
ヒール部分にレザーを積み重ねたスタックヒールを採用しています。
ダナーライトらしい無骨な雰囲気を残しながら、ヒール部分により存在感を持たせたモデルです。
アッパーにはプレミアムなフルグレインレザーとコーデュラナイロンを使用。
もちろんGORE-TEXも採用されています。
価格は税込115,500円。
通常のダナーライトが104,500円なので、価格差は11,000円あります。
単純に高価なダナーライトというより、ダナーライトのスタイルをベースに、より無骨なデザインのモデルと考えると分かりやすいでしょう。
ダナーライトの雰囲気が好きで、もう少し個性的なモデルを選びたい人には面白い選択肢です。
こちらの記事でも詳しく解説しています。

ダナーフィールド|ダナーライトの系譜を受け継ぐエントリーモデル
ダナーライトとダナーフィールドを比べると、まず驚くのが価格です。
ダナーライトが税込104,500円なのに対して、ダナーフィールドは税込31,900円。
かなり大きな差があります。
「これだけ価格が違って大丈夫なの?」
と思う人もいるでしょう。
ダナーフィールドは、ダナーライトのデザインや考え方を受け継ぎながら、より手に取りやすい価格帯で展開されているモデルです。
アッパーにはフルグレインの防水レザーとコーデュラナイロンを使用し、GORE-TEXも採用しています。
アウトソールにはダナーライトと同じクレッターリフトを採用。
さらに、インソールにはOrtholiteを使用しています。
価格は大きく違いますが、見た目だけをダナーライトに似せたブーツというわけではありません。
ダナーライトらしいデザインと機能性を取り入れつつ、価格を抑えたモデルとして見ると分かりやすいでしょう。
「ダナーライトが欲しいけど、10万円を超えるのはちょっと……」
という人が検討しやすいのが、ダナーフィールドです。
ダナーフィールド LOW|フィールドをローカットにしたモデル
ダナーフィールド LOWは、その名の通りダナーフィールドをローカットにしたモデルです。
基本的な方向性はダナーフィールドと同じ。
防水レザーとナイロンを組み合わせ、GORE-TEXやVibramのクレッターリフトも採用しています。
大きな違いは、ブーツの高さです。
ハイカットのダナーフィールドに対して、LOWは足首まわりを低くしています。
「ダナーフィールドは欲しい。でも、普段使いならローカットのほうがいい」
という人に向いたモデルです。
ダナーフィールド R|現代的な機能を取り入れた新世代モデル
ダナーフィールド Rは、ダナーフィールドをベースにしながら、より現代的な要素を取り入れたモデルです。
ダナーフィールドと大きく違うのがソール、そして着脱のしやすさです。
ソールにはVIBRAM®オリジナルソール仕様になっています。
そして、ダナーフィールド Rの大きな特徴がジッパーユニットです。
シューレースの上から取り付けることで、通常のレースアップブーツとは違った方法で着脱できます。
ブーツは好きだけど、
「毎回ヒモを結んだりほどいたりするのが面倒」
という人には、この機能はかなり分かりやすいメリットです。
もちろんジッパーを外して、通常のシューレーススタイルで履くこともできます。
昔ながらのダナーらしさだけでなく、普段使いの便利さも重視したいなら、チェックしておきたいモデルです。
ダナーフィールド LOW R|フィールドRのローカットモデル
最後がダナーフィールド LOW Rです。
名前からも分かる通り、ダナーフィールド Rをローカットにしたモデルです。
ダナーフィールド Rと同じく、VIBRAM®オリジナルソールを採用し、ジッパーユニットも備えています。
足首部分を低くしたローカット仕様のため、ブーツらしい存在感よりも、ブーツらしい存在感を抑えて普段使いしたい人に向いています。
ここまで紹介した8モデルの中でも、かなり現代的な使い方を意識したモデルです。
「ダナーの雰囲気は好きだけど、ゴツいブーツを毎回履くのはちょっと大変」
という人なら、LOW Rは最初の一足として取り入れやすいモデルです。
よくある疑問|Q&A
最後によくある疑問についてまとめました。
まとめ|ダナーライトを起点に、それぞれのモデルへ派生している
ダナーライトは、ダナーを代表する定番ブーツです。1979年に登場して以来、GORE-TEXやステッチダウン製法、Vibramソールなどを採用しながら、現在まで受け継がれています。
そこから、アッパーのデザインや素材を変えたダナーライト II・III、スタックヒールを採用したダナーライト Stackなど、さまざまなモデルが登場しました。
一方、ダナーフィールドはダナーライトとは価格帯や生産背景が異なり、そこからLOWやRといったバリエーションも展開されています。
今回紹介した8モデルは、ダナーライトを中心とした代表的なモデルです。実際に選ぶときは、価格や生産国だけでなく、デザイン、ソール、機能性、履きやすさまで比べてみると、自分に合う一足を見つけやすくなります。
