スペインは観光地として非常に人気が高いですが、決して治安が良い国とはいえず、スリなどの被害も発生しやすい場所です。特に地下鉄では観光客が狙われやすく、対策を取らなければ被害に遭って、せっかくの旅行が嫌な思い出になってしまうかもしれません。
私もスペインのバルセロナでの旅行中にとても危ない目に遭ったので、私の経験談を紹介しますので、ぜひ対策として同じような目に遭わないようにしてもらえればと思います。
そして、観光客が被害に遭いやすいスペインの地下鉄の路線やエリアについて解説し、スリの手口や安全な利用方法についてご紹介しますので、安全に楽しく旅行を楽しむための知識として、ぜひ参考にしてください。
スリの手口とは?スペイン地下鉄でよくある犯行パターン
まず、私の体験談の前によくあるスリの手口を紹介します。事前に知っている事で対策をし、被害に遭う可能性を低くすることができるので、これからスペインに行く人はぜひ覚えておいてください。
スリの犯行手口とその種類
スペインの地下鉄で観光客がよく狙われる犯行パターンには、以下のような手口が存在します。
- チームでの犯行
スリは複数人でチームを組んで行動することが多く、1人が注意を引いている間に他の者が貴重品を盗むといった巧妙な手口が一般的です。 - 混雑時のひったくり
混雑する駅のエスカレーターや改札口付近で、背後からバッグやポケットに手を入れるひったくりが多発しています。 - 偽の親切心で接近
困っているふりをして近づき、話しかけるなどして気を引き、その隙に財布やスマートフォンを盗むケースも多く見られます。
よくあるスリのシチュエーション
- エスカレーターでの接触
わざとエスカレーターでぶつかり、気を逸らしている間にバッグから貴重品を抜き取る手口です。 - 改札付近での混乱
チケット購入や改札を通るとき、観光客が支払いに集中している間に背後から貴重品を狙うスリがいます。
どのように防止できるか
スリの被害を防ぐためには、以下の対策が有効です。
- 不審者を警戒する
身の回りで不自然に接近する人物がいたら、少し離れて距離を取ることが効果的です。 - バッグは前に抱える
特に人混みの多いエリアでは、バッグを前に持ち、貴重品に手をかけることで盗難防止につながります。
リュックで観光中に経験した私の体験談
ここでひとつ私の体験談を紹介します。
バルセロナでサクラダファミリアを目指し地下鉄を利用していた時のことです。
その時の私は、デイバックを背負い現地の地図を片手に地下鉄に駆け足で乗り込み、乗った電車があっているか、次にどこで降りるかの確認をしていました。
そこそこの人数で、観光客も現地の人もいたので、そこまで警戒をしていませんでした。
乗った電車が正しかったことを確認しホッとすると、電車の閉まるブザーが鳴り始めました。すると背中にドンッと人がぶつかってきました。それと同時にお尻が触られる感触にドキッとして慌てふためきました。
そうです。私は不注意にもお尻のポケットに長財布を入れていたのです。
あんなに気が動転したのは初めてで、振り返りぶつかってきた人に『てめーふざけんなよー!』と言いたかったのを『わー!』とか『んあ!!』とか言葉にならない言葉を発していました。もうパニックになって冷静でいれなかったのを今も覚えています。しかも、その相手はなんと20代くらいと思われる女性でした。
幸い財布はポケットから抜き取られず、事なきを得ました。
そしてブザー鳴り終わり、扉が閉まる直前にその女性は走って車両を降りて行きました。
おそらく、ダッシュして財布を抜き取る→それを盗んで車両を降りて逃げるというのが、手口だったんだと思います。
スリ被害を未然に防ぐための具体的な対策5選
今振り返ってもとても怖い体験でしたが、スペインへの旅行者の多くの方が経験しているのではないでしょうか。それだけ、治安が良くないということです。
さてここからは、そんな経験をなるべくしないように、未然に防ぐための注意点・対策をお話ししていきます。
1. バッグは「しっかりホールド」が基本!
地下鉄や人混みでは、バッグの持ち方一つでスリ対策が変わります。
観光中に人気のトートバッグやリュックサックは、一見便利ですが、特にリュックサックは背後から狙われやすいので、体の前に抱えるか、できるだけ自分の目の届く位置に持ちましょう。
また、外側に小銭やパスケースを入れるのは要注意!スリはチャックを開けたり、外ポケットから物を取り出すのに慣れているため、バッグのデザインや持ち方には少し気を配るだけで、被害を防ぎやすくなります。
貴重品が入っているポケットは南京錠で施錠するのも有効です。そこまでやらなくてもと思うかもしれませんが、スリは狙いやすい人を狙います。施錠することで、『私は最大限の警戒してるんだぞ!』とアピールすることで、スリのターゲットにされるリスクを抑えることができます。
2. 財布やパスポートは「見せない」「出さない」
スリのターゲットになりやすい観光客は、財布やパスポートなどを頻繁に出し入れしていることが多いです。地下鉄では特に、チケットを買うときや改札を通るときに注目されやすいので、支払いの際は現金を事前に小さなポーチに分けて入れておくとスムーズです。大きな財布はホテルのセーフティーボックスに置き、現金も分散して持つのが安全です。
ポケットに財布を入れるのは絶対にダメ!スリにお金持ってますとアピールする事で、絶好のターゲットにされてしまいます。
3. スリ防止グッズを活用!
スペインの観光中は、防犯グッズも賢く使ってみましょう。以下のアイテムは日本でも入手可能で、観光中のスリ対策としても役立ちます。
- 防犯チェーン付きの財布
チェーンでバッグやベルトにしっかり固定しておけば、スリにとって「簡単に取れない物」になり、盗みにくくなります。これは小さな工夫ながら効果大です! - 隠しポケット付きの服やベルト
隠しポケットやウエストポーチなどに貴重品を入れておくと、いざというときにも安心。特に観光で手を使うことが多い場合、両手を空けておくことができるのでおすすめです。 - ショルダーバッグやウエストバッグの前掛け
バッグを体の前に持つと、視界に入るのでスリの目をそらす効果があります。海外では前掛けスタイルも一般的なので、スリ対策にもなり、一石二鳥ですね。
4. 混雑エリアでは「立ち位置」と「周囲チェック」を意識
地下鉄や観光地の混雑したエリアでは、周りに不審な動きがないかを確認しながら移動するのが鉄則です。特に、以下のポイントに気をつけてください。
- エスカレーターの乗り降り時
ちょっとした接触が発生しやすく、スリが近づきやすい瞬間です。スマホや財布を手元で握っているのはNG!バッグにきちんとしまっておきましょう。 - 駅の改札やチケット購入機の前
スリが観光客に近づきやすい場所の一つです。チケット購入に集中している間に、後ろから狙われることが多いため、必要な小銭やカードを事前に取り出し、サクサクと支払いを済ませるのがおすすめです。
まとめ
スペインでは、観光客を狙ったスリが多発するため、しっかりとした防犯対策が必要です。私自身も地下鉄でスリ被害に遭った経験があり、そのときは混雑した車内でバッグを後ろに背負ってしまっていたため、非常に危険な思いをしました。
この経験から、バッグの前掛けや防犯チェーン、そして現金やカードを分けて持つ重要性を実感しました。
スペイン旅行中、特に観光客が集まるエリアの地下鉄では、不審な動きがあればすぐに離れること、エスカレーターや改札で背後の人物に注意することもポイントです。また、スリ防止用のアプリや位置追跡機能も旅行前にセットしておくと安心。ちょっとした防犯の工夫や意識の変化が、貴重な旅の思い出を守ってくれます。
この記事で紹介した対策や体験談を参考に、安心・安全なスペイン旅行を楽しんでくださいね。