ブーツ好きなら一度は通る名門、Danner(ダナー)。
そのダナーが「街でもガシガシ履けるブーツを」と送り出したのが――
“BISMARCK(ビスマルク)”です。
一見クラシック。でも実は、日本製ならではの緻密なつくりと、
HORWEEN(ホーウィン)社の極上クロムエクセルレザーを使った、えげつないかっこよさが光る。
「アウトドアだけじゃない、都会に、日常に馴染むダナー」。
その答えが、このビスマルクに詰まっています。
ただ、実際はあまり知られていなく、『隠れた名品』と化しているのが実情。
そこで今回は、BISMARCKの魅力を紐解き、素材・製法・履き心地・ダナーライトとの違いまで、
“ビスマルクの魅力”を解説していきます。
隠れた名品!ダナー ビスマルクってどんなブーツ?
「ダナー=アメリカ製」…そんなイメージ、ありますよね?
でもこのビスマルクは日本製なんです。
しかも、日本の職人がダナーのスピリットを受け継ぎながら、丁寧に仕上げた一足。
アメリカの無骨さが、MADE IN JAPANの繊細な仕事によって仕立てられた逸品。
街に馴染むスマートなフォルム、でも芯のあるタフさ。そうです、“都会派ワークブーツ”の理想形がここにあります。
デザインは一見するとダナーライトによく似ていますが、そもそもコンセプトが違います。ダナーライトはあくまでトレッキングブーツで、ビスマルクは都会派ブーツ。
素材がヤバい!クロムエクセル×オイルドスエードの贅沢コンビ
ビスマルクを語る上で、素材の話は外せません。
アッパーには、世界最高峰のタンナー、HORWEEN社(ホーウィン)のクロムエクセルレザーを採用。
手に取った瞬間わかる、あのヌメッとした質感。オイルをたっぷり含んだ分厚い革は、最初はちょっと硬め。
でも数日履けば、グッと足に馴染み、驚くほど柔らかくなる。経年変化(エイジング)で生まれる深いツヤは、まさに“一生モノ”の風格です。
さらに切り替え部分には、ヨーロッパ産のオイルドスエードを使用。
クロムエクセルの重厚さに、スエードの柔らかさが加わって、ブーツ全体の印象が一気に“上品”に引き締まります。
カラーは3色展開。いずれもスエードとクロムエクセルレザーの切り返しのコンビネーション。
どの色もレザーの質感が際立ち、
男らしさと洗練が共存するバランスが絶妙です。個人的にはブラック/グレーの無骨さがイチオシ!
職人技が光る「グッドイヤーウェルト製法」|履くほどに自分の足になる
ダナーブーツはステッチダウン製法が多いのですが、ビスマルクはグッドイヤーウェルト製法で作られています。これは、アッパー・ソール・インソールをしっかり縫い合わせる伝統製法。“丈夫で、修理しながら一生履ける”ブーツです。
しかもウェルト部分にはストームウェルト仕様を採用。↓↓
- 山型のひだ: 通常の平面なウェルトとは異なり、ストームウェルトはウェルトの中央に山型のひだ(立ち上がり)が作られている。
- 隙間の防止: このひだ部分がアッパー(靴の甲部)の隙間を塞ぐように取り付けられます。これにより、靴の内部へ水や砂利などの異物が浸入するのを効果的に防ぎます。
- 高い技術が必要: 凹凸のある形状を正確にアッパーに縫い付けるには、熟練した職人の高い技術と細心の注意が必要です。少しでも隙間ができると、本来の役割を果たせないどころか、逆に異物がたまる原因になる可能性があります。
主に防水性や堅牢性が求められるカントリーシューズやワークブーツなどに多く採用される。
そして何よりウェルト部分の厚みが増すことでより無骨さが際立ちカッコ良さを引き出しています。
履き込むことでインソールが沈み、形が馴染み、どんどん自分の足にフィットしていくんです。
ソールはVibramミニラグ|重厚なのに歩きやすい!
ソールにはVibram(ビブラム)社製のミニラグソール。
このチョイスがまた絶妙。
従来のラグソールよりも凹凸が浅く、軽快で、街履きに最適。でも、グリップ力はしっかりキープ。雨のアスファルトでも安定感があります。
ヒール部分がセパレートタイプになっているので、ゴツゴツしすぎない、無骨さの中にスタイリッシュさが光るデザインがこれまた乙です。
ワークブーツなのに、“歩きたくなる”履き心地。これもビスマルクの大きな魅力のひとつです。もちろんソール交換可能なので、後々自分好みにソール交換してカスタムするのもOKです。
ダナーライトとの違い|同じブランドでもまったく別モノ!
ここまでビスマルクの魅力を語ってきましたが、「ビスマルクって、ダナーライトと何が違うの?」と思う方も多いはず。デザインは共通している部分ありますもんね。これまでも少し触れてきましたが、ここからは両モデルの違いを解説していきます。
結論から言うと――“目的がまったく違う”んです。さっと表にまとめるとこんな感じ↓
| 比較項目 | ダナー ビスマルク | ダナーライト |
|---|---|---|
| 製法 | グッドイヤーウェルト(ストーム付き) | ステッチダウン(防水ブーティ構造) |
| ソール | Vibram ミニラグソール | Vibram クレッターリフトソール |
| 防水性 | 防滴仕様(非GORE-TEX) | 完全防水(GORE-TEX内蔵) |
| 重量感 | 軽めで街向き | 重厚でアウトドア向き |
| 用途 | タウンユース・街履き | 山歩き・トレッキング |
| 印象 | 上品・洗練 | 無骨・ヘビーデューティー |
この中でポイントは2つ。ソールと防水性です。
ダナーライトが、クレッターリフトソールなのに対してビスマルクはミニラグソール。機能性ももちろんですが、何より見た目の印象が大きく違います。ヒール部が独立しているビスマルクの方がより都会的・スタイリッシュな印象を与えてくれます。
ライナーがダナーライトがGORE-TEXブーティーなのに対して、ビスマルクは採用されていません。この違いは大きく、防水性という面ではGORE-TEXであるダナーライトが圧倒しているといえます。
つまり、
ビスマルク=“街仕様のダナー”:都会でもスタイリッシュに履ける。
ダナーライト=“山仕様のダナー”:ゴリゴリの登山道・濡れた路面でもOK。
同じブランドでも、キャラクターは全然違います。
どちらを選ぶかはライフスタイル次第。好み次第。でも、売れ行きはダナーライトが圧倒的なんですよね。なぜビスマルクを選ぶという選択肢がないのか?
「日常で履くなら、ビスマルク」いいぞーと言いたくなる完成度です。
サイズ感&履き心地|最初は硬い、でも“フィットしてくる感覚”が最高!
一般的にダナーブーツのワイズは細目であることが多いんですが、このビスマルクも同様のサイズ感といえます。
サイズは普段のサイズよりもハーフサイズ〜ワンサイズ下を選ぶのが良さそう。
このブーツにはインソールは付属していないので、インソールを入れて履くのか、履く靴下の厚み(冬場は厚めの靴下履きたいですよね)を考慮して選びましょう。
手入れも楽しみのひとつ|磨くたびに表情が変わる
クロムエクセルレザーはオイルが多いので、基本はブラッシングと乾拭きでOK。乾燥が気になるときだけ、ほんのちょっと油分を足してあげるだけでOK。
スエード部分はブラッシングと防水スプレーをかけておけば安心です。
履き込むほどに、革が色濃く、艶やかに。“自分の時間が刻まれていく”感じが最高にたまらないんです。良質なクロムエクセルレザーだからこその楽しみ方ですよね。
まとめ|ビスマルクは“育てる喜び”を思い出させてくれるブーツ
ビスマルクは、ただの派生モデルじゃない。「ダナーが日本の職人と本気で作った、隠れた名作」です。
クロムエクセルの艶、シャープで無骨なデザイン、MADE IN JAPANの品質。
そしてグッドイヤー製法で仕立てた履き心地――どれを取っても、一切の妥協なし。
もしダナーライト欲しい、ダナーフィールド欲しい!なんて思っている方。一度ビスマルクという選択肢を考えてみてはどうでしょうか?
